素晴らしきロボの世界をプラモデルで: 1月 2011

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2011年1月23日日曜日

接合部を考える(その2)

私がガンプラを組み立てている間、わたしの息子は既に4体組み立ててしまいました。
プラモデルは作る間が楽しく出来てしまえばそれまでです。

現代版ガンプラは部品点数は多いものの部品の切り離しさえきちんと出来れば誰でも簡単にきれいに組み上げる事が可能です。
ただし欠点もあります。

簡単に出来るゆえに趣味性が薄まってしまっているのではないか?
という点です。

昔のガンプラは部品点数も少なく単色プラスチックでほとんど部品の色分けが無く単に組み立てただけでは飾りにもなりません。
当然塗装が必要でした。
部品点数が少ない・・・ということは機体の色によって部品があるわけでなく単色の部品に自分で色分けして塗っていくという非常に高度なテクニックが要求されてました。

そのため作る人のセンスがそのまま出来上がりに左右され、それが自分の満足度や趣味性につながっていました。

だからといって現代版ガンプラが趣味にそぐわないわけではありません。


  • 1体を納得いくまで仕上げる
  • 作った後どう楽しむか?

こんな感じでガンプラの趣味性を高め、どこまで遊べるか追求したいと考えます。

それでは前回に引き続き「接合部について」考えたいと思います。

昔のガンプラ

昔のガンプラと現代版ガンプラの製造サイドにおける決定的な違いは「金型」の精度が飛躍的に向上した事だ・・・とバンダイの方がTVの取材で話していました。

昔のガンプラは頭・ボディ・肩・二の腕・腕・手・大腿部・脚部・足とパーツがそれぞれ2分割されておりそれを接着剤で貼りあわせて組み立てていました。
当然ながら貼りあわせた場所はピッタリ合うわけでもなく必ずといっていいほど大なり小なりの段差が発生していました。
きれいに仕上げるために基本的にしていたことは

  1. パテを薄く盛る
  2. ヤスリで平面を出す
  3. 塗装する

という順番で貼りあわせた部分を消していました。

文章で書けば簡単ですが、パテはなかなか乾かない、平面がうまく出なかったりと苦労することもありました。
塗装もきれいに均一に塗装するためにはスプレーやエアブラシを使用するのが最適ですが、子供のおこづかいでは厳しいため筆塗りです。
筆塗りは筆ムラにより塗装面は凸凹になるため、仕上がりもかなり落ちます。

百式のボディの接合部仕上げに再度挑戦

それでは前回、仕上がりに不満が残った箇所を再度仕上げてみたいと思います。
現代版ガンプラは部品自体に色が入っているため下手に塗装するとかえって不自然な仕上がりになりそうです。
そのため塗装を前提とした仕上げの方法(昔のガンプラ製作の手法)とは別の方法を考えてみます。


すき間を無くすため接着剤を使用します。
(今回はタミヤセメントを使用)



接着剤を若干多めに塗ります。









合わせ面を密着させてすき間を無くすために接着剤を使用しました。
今回使用したタミヤセメントはプラモデル専用の接着剤です。
この接着剤は自身が固まるだけでなくプラモデルの表面を溶かす成分が含まれているため接着面がより自然に仕上がります。
すき間は無くなりました。しかし接合部にまだ溝のような線が残っています。

塗装しないためパテで埋めるわけにもいきません



そこで考えた結果、先程の接着剤の効能を利用して溝を埋めようと思いつきました。
使用したのはタミヤセメントとライナー(プラモデルを切り離したあと)です。


ボディと同じ色の部分を適当な大きさに切ります。


ひたすらヤスリで削り、粉を出します。
(なかなか粉が出来ないため、カッターで薄く削りました。)
下にあるものはプリングルス(お菓子)の底部です。


出来た粉にタミヤセメントをたらします。
(筆先に粉をつけないように注意)


すぐに粉が溶けるわけではないのですが、粉とタミヤセメントを混ぜたものを接合部に塗りこんでいきます。


こんな感じになりました。
粉、タミヤセメント、部品の表面が混ざり合っています。








後は接着剤に残った溶剤が揮発し固まったら前回同様800番⇒1500番⇒ピカール(コンパウンド)で仕上げていきます。(写真は前回の記事を参照してください)


そして・・・





このように仕上がりました。
接着面の継ぎ目がほとんどわからなくなりました。








最後に

いかがでしたでしょうか?
ボディの側面ですから目立たない部分ではあります。
写真にも出てますが、仕上がりについてはほかのすき間にピカールが入り込んだりして決して完璧ではありません。
しかし、細部にこだわって仕上げると出来上がった作品に愛着がわいてきます。
また普通にボディを組み立てれば5分とかからない作業もちょっとこだわるだけでいい時間を過ごす事ができます。

週末は腰を落ち着けてグラス(飲みすぎ注意)やコーヒー片手にひとつひとつをこだわって作ってみたらいかがでしょうか?



余談ですが・・・

百式のプラモデルの箱のイラストでは今回苦労して目立たなくした継ぎ目の線がくっきりと描かれています。
ちょっとショックでした(笑)まあ、いっか


接合部の処理

私が本格的にプラモデルに興味を持ち始めたのが中学生の頃、その頃は待っていたのがミリタリー関係のプラモデルでした。
零戦等の戦闘機、戦車、軍用車両等を中心に製作してました。
ミニチュアの軍人モデルもありました。

この時のテーマは「いかにリアルに作るか」ということでいろんな雑誌や本で見た情報を元に子供なりのテクニックを駆使していました。
その頃の作品は処分したため見ることが出来ませんが、見たらその未熟さゆえに目が点になるか胸が熱くなるか・・・どっちでしょうね?

さて、製作しているのは「ガンダム(の登場キャラロボット)」です。
元はアニメーションであり、現実には存在しません。

アニメーションでは当然ながらモビルスーツのリアルさなど表現する事が不可能です。

リアルさをどう追求するかというテーマはまたの機会にして、ガンプラを作成後気になるのが部品の接合部です。

本日は接合部を塗装しないでどこまで目立たなくしていけるか挑戦したいとおもいます。

接合部の段差を目立たなくする


百式のボディ左側面です。目立たない部分ではありますがいかにもプラモデルを組み立てました感が強いので段差を無くして目立たなくしていきます。







ヤスリで平らにならします









800番のペーパーを適当な大きさにちぎって









ならします。その後1500番のペーパーで同じ事をします。








こんな感じです。
ヤスリで削った痕が白く残っています。








ピカールです。
本来金属を磨くための物ですが、目がかなり細かいためプラスチックの小傷を消してきれいに磨く事が出来ます。






布に適量をとって








ペーパーで削ったところを磨きます。









ツヤが戻りました。

決して完璧な仕上がりではありませんが、パーツを切り離したところや接合部の段差などが無くなり目立たなくなりました。




最後に

いかがでしたでしょうか?
写真ではそこまで表現できていないのですが、実物を見るとかなり雑なところが目立ちおまけに部品が密着していないためすき間もそのままです。

これでは作業した意味がありません。

次回もう一度接合部の処理について考えてみたいと思います。


2011年1月16日日曜日

パーツの切り離し

接着剤や塗装いらず、しかし誰が組み立ててもきれいに仕上がる現代のガンプラですが、部品のひとつひとつがランナーとつながっている事については昔と変わりません。

パーツの切り離しとその部位の処理に付きましては、仕上がりにかなり影響します。
せっかく組み立てるのならば、細部にこだわった方がより満足度が高いですよね。

道具をそろえる

私がガンプラ製作に使用した道具はこちらです。


○カッターマット
○ニッパー
○精密ヤスリ
○カッター

全て100円均一の店で全部そろえる事が出来ます。
全部買っても420円・・・安いですね

私がプラモデルにはまっていた小学生~中学生の頃はこのような道具が安価で出回っておらず、模型店に置かれている専用品は数百円と高価なため家にあるもの(爪切りなど)を代用していました。

パーツの切り離し部分を処理する











ランナーからパーツをニッパー等で切り離すとつなぎの部分がパーツに残ります。
方法はいろいろありますが今回はカッターで処理します。
理由はヤスリで削ると余分な場所を削ってしまい後処理が面倒だからです。


まず、大まかな部分を切り落とします。
写真のようにカッターマットの上で上から下に向けてカッターの刃を当てると指をけがすることなく切り落とせます。










残った部分を慎重に削ります。
ここではカッターの刃を削るパーツの面と平行になるように当てましょう。
そして一気に削ろうとせず、少しずつ削っていきます。
余分な部分のみ削る事が目的ですからカッターの刃は決して斜めに当ててはいけません。










少しあとが残りましたがこのような仕上がりです。

最後に

いかがでしたでしょうか?
簡単に作れてしまうガンプラも仕上がりを追求するとグッと趣味性が高まります。

次回は接合部の処理について考えてみたいと思います。


2011年1月10日月曜日

ついに完成「百式」



本日、ついに完成しました。
金メッキのボディだけでなく、その造形美も原作に忠実に再現されています。

写真撮影が下手なため、ポーズや構図がイマイチですが実物は満足いく仕上がりです。
















横から見ても腰から足にかけてのラインなど、プラモデルとは思わせない仕上がりです。





















うしろ姿もカッコいいですね。



















1979年にTV放映された「機動戦士ガンダム」は当時小学生だった私達の間で人気があったロボットアニメです。
当時のロボットキャラのプラモデル(以下ガンプラ)は部品のほとんどが単色のプラスチックのため組み上げただけでは完成度はかなり低く、塗装で完成度を上げるしかありませんでした。

色付け(塗装)も顔など細かいところは職人的センスが問われる位でした。

さらに当時のガンプラは関節部分の保持力の弱さが致命傷で、立たせる事だけでも一苦労でした。

プロ(模型屋)の仕上がりが簡単に味わえるのは魅力です。

次回は作成模様をお伝えします。