素晴らしきロボの世界をプラモデルで: 3月 2011

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2011年3月31日木曜日

ガンプラを修理する(最終回)

息子からの依頼で始めたガンプラの修理
本日で無事修理できるのでしょうか?

前回脚側のパーツを修理せず、代用品(百式製作後、余ったパーツ)を組み込みました。
しかしながら代用パーツは足側に差し込む突起部分はなく逆に穴があいています。
今回はこの穴と足側の穴をどのようにしてつなぐか考えて最終的には違和感無く接続させる事で修理完了とします。



写真が暗くて見づらいでしょうが、足側に使用されているこの部品の穴ですが、息子の接着剤攻撃によって溶けており穴の大きさが左右サイズが違っています。
この穴の大きい方に合わせてピッタリ差し込めそうなものを探します。


ちょうどエルガイムの白いパーツのランナーがピッタリ合いました。
もう一方の穴は小さくなっているので同じ大きさに広げます。


ランナーと同じ位のサイズのドリルがありました。
これで穴を広げます。


柔らかいパーツなので、そのまま直接手でドリルをまわして穴を広げます。


それぞれピッタリ差し込むことが出来ました。

さて、ここからが問題です。
この太さのライナーは脚側の穴より大きいため差し込むことが不可能です。
脚側に組み込まれたパーツは弾力性があるため、穴を広げたりする加工をせずに、ランナーの方を加工して弾力性がある脚側のパーツに差し込めてかつ抜けないほどのサイズに加工します。

このまま削ってきれいに加工する程の技術はありません。
ここは道具に頼ります。


電気ドリルの登場です。
どのように使うかは・・・・・・ 想像できますよね?


このようにドリルの代わりにランナーをセットして、ヤスリを当てながら回します。


こんな感じに削ることが出来ました。


左右ともほど良い太さに削ることが出来、めでたく脚側のパーツに差し込むことができました。

先に電気ドリルにセットして削った後の写真をご覧いただくと削った部分とそうでない部分の段差があります。
このランナーは最終的に足側のパーツに接着剤で固定します。
この段差が足側のパーツの穴の面と同じ位置に来るように長さをつめます。


最初は長めにして、何度も穴に差し込んで位置を調整しつつ慎重に丈をつめていきます。


このように段差の位置と合う事が確認できたら差し込む方の先に瞬間接着剤を塗布して固定します。


このように左右のパーツともに固定できました。
それでは、まず足側のパーツを組みます。


このようになりました。

さて、うまく差し込むことができるでしょうか?


めでたく「ガンダム大地に立つ」です。

ちなみに足首のカバーは今回の修理結果をお見せするためあえて外しています。


足首部分のアップです。
いかがでしょうか?

このような流れでご紹介するとかなりうまく言ったように感じます。
しかし実のところ、足と脚のドッキングがうまくいかずに大変苦労しました。
どのような状況かと申しますと、穴に差し込んでも最後までキチンとはめ込む事が出来ずになぜか浮いてしまいます。
このままでは納得できませんので、粘り強く干渉していそうな部分をデザインナイフで修正しては、はめ込みを繰り返してやっと最終的な写真のように仕上がった所です。

これで無事に修理を終えました。

3回にわたってご紹介した「ガンプラ修理」いかがでしたでしょうか?
これを見ていただいているみなさんは、製作したガンプラを壊れるまでいじる事は無いのでしょうが、製作途中に壊した際のヒントにしていただければ幸いです。
私自身、製作よりもはまってしまい仕事で疲れていても思わず3夜連続で修理を行ない、記事にしました。

今度、新たな依頼が来ましたら紹介させていただきます。


2011年3月30日水曜日

ガンプラを修理する(つづき)

息子から依頼された事がきっかけで始める事になったガンプラの修理
前回の記事では足側のパーツで折れた部分の修理の模様を掲載しました。
今回はそのつづきです。



ボールジョイントの根元部分に塗布した瞬間接着剤が、固まりました。
白く濁っていますが、見える部分ではないのでこのまま組み立てます。

これで足側についての問題は一部解消されました。
次の問題部分は脚部と足の接合です。


足側の穴に差し込む突起が、息子が使用した接着剤で溶けているのがお解かりいただけますでしょうか?


加えて、足側の穴も接着剤で溶けて広がっています。

この場合の対処方法は

  1. 突起部分の再生
  2. 穴の修理

です。

1に関しては突起部分を取り除いて、穴を開け棒状のものを差し込んで再生しようと考えています。
文章にして書くと簡単なようですが、棒を差し込むための穴を正確な位置にきれいに開けれるか?
と考えると自信がありません。

何かないものかと探したところ、いいものを発見しました。


以前に製作した「百式」のパーツに同型のものが残っていました。


穴が開いているのと突起が出ている以外は同形状です。
早速、部品を組み替えます。


バラす際は、デザインナイフ等を継ぎ目に差し込んで慎重に外します。


このようにピッタリ組む事が出来ました。

これから足側の穴とうまく接続できそうな太さの棒を探します。
現在、製作中のエルガイムのランナー(製作前のパーツをつないでる部分)が太さとして手頃に見えたので切断したところ
脚部の穴には入らず、足側の穴の方は逆にユルユルという始末です。
脚側の穴に突起物として棒状のものを差し込んだだけではどうやら解決できなさそうです。

本日の作業は終了です。
少し時間を置いて対策を考えます。


2011年3月29日火曜日

ガンプラを修理する

プラモデルの楽しみ方は人それぞれでしょうが、出来上がった作品をいじりすぎて壊してしまう事があります。
本日、私の元にプラモデル修理の依頼が来ました。
依頼者は私の息子です。

「足がとれ、再度はめようとしたがうまくはまらない」との事

早速、現状を確認します。



初代(ファースト)ガンダムの足首部分を撮ったところです。
はめ込み部分の突起が頼りない感じと左足(写真では右側)の突起は溶けたように失われています。
息子に聞くと「プラモデル用の接着剤で接着しようとしたがうまく着かなかった」と言っております。

私の幼少の頃、似た経験をした思い出があります。
接着剤は万能ではなく適材適所に使用しないと接着できませんし、強度が必要な箇所には補強したり、さらに適した種類の接着剤を使用しないといけません。
それが解らず、うまく修理できなくてあきらめていました。

このような経験から修理に興味を覚え、失敗を重ねながらいろんなものを修理しました。(出来なかったものも結構あります。)

修理に必要なこと、それは
  • 現状をきちんと把握する事。
  • 壊れた箇所に対する手当てをどのような方法で行うのか、しっかり考える事。
  • 手当てに合った道具を使用する事
です。

例えば「棒状のものが折れた」場合
子供の頃ならば折れた面に接着剤を塗り必死でくっ付けようとします。
仮にくっ付いたとしても容易に折れてしまいますよね。
長さや太さなどをみて折れた部分をどのように手当てするのかを考えます。
ひとつの方法としては筒状のもので折れた部分をカバーするやり方。他には棒の折れた口に穴をあけ針金などの硬いものを芯材として補強を入れて接着するやり方です。
道具に関しては芯材の太さに合う大きさの穴を開けるためには、それに見合ったサイズのドリル先が必要です。
道具(工具類)は特に大事です。
ホームセンターには多種多様な工具があります。
プラモデルのちょっとした加工や修理程度だと種類は限られています。100円ショップの工具類もなかなか充実しております。
手持ちの工具で不安な時はその都度揃えると後で重宝します。

それでは、このガンダムの修理をします。
部品構成がよくわからないので、慎重にバラします。





上がバラした部品です。


ボールジョイントの部分の根元が折れています。


こちらが正常な部品です。

接着剤いらずのガンプラですが、この部品はこのようにバラしてみると正常な部品も強度的に弱く感じます。
折れた部分の修理について「瞬間接着剤」を使用して折れた部分の接着およびその周囲に塗布し固める事で強度を高めたいと考えます。
折れてない側の部品もボールジョイント部の根元にしっかり流し込むように塗ります。

左右それぞれのパーツの組立ては本来はめ込みですが、今回はプラモデル用の接着剤を使用してガッチリ張り合わせます。
折れた方のパーツについては折れた部分に瞬間接着剤を塗布し仮止めした後、張り合わせます。
そしてボールジョイント部分の根元に瞬間接着剤をすき間に流し込むように塗布します。


今回使用した接着剤は100円ショップで見つけた「ハケ付き瞬間接着剤」です。
プラモデル用(タミヤセメント)と同じようなハケがフタについており、とても塗りやすく出来ています。
このハケで根元部分にしっかり接着剤を塗ります。


後は時間を置いて乾かします。
瞬間接着剤は厚く塗ると固まるまでに意外と時間がかかります。
すき間に入り込んだ接着剤がしっかり固まり、強度が出るように触らず、時間を置きます。
今回は折れた部分の接着のみならず補強も兼ねたいのでしっかり塗りました。
しばらく放置しますので、今日はここで終了です。


2011年3月27日日曜日

プラモを作る・第4回・手を仕上げました‐1/144重戦機エルガイム

エルガイムの製作をはじめて1ヵ月を過ぎました。
ここで、やっと手のパーツが完成しました。
金型から成型された手は単なるプラスチックの塊にしか見えず、これでは人型ロボらしさのかけらもありません。
そこで、素人なりにパーツを切ったり、溶かして曲げたりしつつ最終的なポーズにあった手のかたちを追求しました。





かたちを整えた後、悩んだのが「手の模様」です。
エルガイムの手は甲部分に縦に2枚カバーのようなパーツ(以下「カバー」)があり、手の側面(手刀部分)にシワがきざまれています。
文章で説明してもわかりにくいと思います。
気になる方はDVDの1巻、第1話を見るとお解かりいただけるかと思います。

甲の部分のデザインはエルガイムの手には欠かせません。カバーをどのようにして形作るのか考えました。
ちなみにパーツそのものにはオリジナルとは程遠い模様がついていました。

最初はパテを盛って彫ろうかと考えましたが、アニメを見ると、薄いものを貼り付けたほうが「らしい」と判断し、いざ材料さがしに出掛けました。

意外にも早く見つけることが出来ました。私がよく行くホームセンターで0.2ミリ厚のプラ板があったのです。
形を切り抜き、接着剤で甲に貼りました。
プロの方には及びませんが素人目にはなかなかの仕上がりです。
しかしこれで完成ではありません。甲のカバーには指側に丸いくぼみと手首側に2本溝のような模様があり、どのように加工しようか悩みました。

丸いくぼみは0.7ミリのドリルで浅く穴を開けて解決、溝の部分は精密ドライバーのマイナスを焼いて型をつけました。

後は色塗りです。
極小のパーツですので、筆で塗りました。
指定色は「ウッドブラウン」ですが、塗ってみると色味が濃い感じがしたので、手の甲側の表面に「サンドイエロー」を塗りました。そしてガンダムマーカーのグレーで影をつけるようにスミ入れをしました。

そんな苦労を重ねて出来たパーツがこちらです。




いかがでしょうか?
完璧な仕上がりとは言えませんが、これが私の限界です。

ちなみに今回使用した道具はコチラです。



右から、デザインナイフ、精密ドライバー、ドリル、ドリル用のビットです。
今回使用したドリルは極細のため、一般的には「ピンバイス」という工具にセットして使用します。
ピンバイスはホームセンターにあったのですが800円程度、ちなみに極細ドリルも600円と結構します。
ちなみに100円ショップに無いものか? と探してあったのが左のセットです。
こちらは極細ドリルを取り付けた後、リューターに刺して使用します。
リューターは元々持っていたので、コチラを購入することにしました。
ちなみに価格は100円ではなく、400円(税込み420円)でした。

当時のプラモデルを素人の私がどこまでリアルに仕上げられるか挑戦しているこの企画(?)
作る時間よりも考える時間の方がかなり多いと思います。

ちなみに今考えているのが肘部分の関節です。
可動部分を増やすアイディアは一定の方向に定まったのですが、腕のデザインがアニメでは角度によって見え方がまちまちのため、どのくらいの寸法かがわかりづらい所です。
まだまだDVDを見る必要がありそうです。

2011年3月21日月曜日

プラモを作る・第3回・手を加工しました‐1/144重戦機エルガイム

現在作成中のエルガイム、手の部分がある程度形になってきました。

私は安価、場所をとらない等の理由で、ロボ関係のプラモデルは144分の1スケールのものを好んで組み立てます。
元が架空のものなので、144分の1ってどの位? と考える方もいらっしゃるでしょうが、前回作成した「百式」の身長(頭の先まで)で約14センチ位の大きさです。(実物は約20メートル位)





その手の部分ですから、大きさは手の甲部分で幅7ミリと小さいものです。


前回の記事で紹介した手の部分です。
いかにも「型に流して成型しました」という感じです。
このまま使用するには表現としてイマイチです。

サンライズ系の登場ロボの主な武器のひとつに銃タイプの武器があります。
ガンダムでは「ビームライフル」が有名ですね。
エルガイムでは「パワーランチャー」と呼び、手に持つのではなく腕に取り付けて使用します。
アニメでは右腕にパワーランチャー左腕にバインダー(盾)を取り付けての戦闘シーンが一般的です。

最終的にエルガイム組立て後はポーズをつけて、出来ればジオラマ(情景の模型)を作り写真撮影したいと考えています。
ですので、その情景に合ったポーズを自然に取れればOKです。
そのために右手は握った形、左手は広げた形に決めました。

先に載せた写真のとおり指はくっついたまま固められており、型の作りやすさに合わせて作られた形のため、カッコよくも無く自然でもありません。
手の部品をきったり曲げたりして加工します。
結果、このような形に仕上がりました。


左手(広げた方):デザインナイフで指が広がるように1本づつ切り離した後、指の付け根部分に半田ごてをあて溶かしながら成型しました。半田ごて使用後はゆびがコテ先で溶かしたくぼみでボコボコになり成型どころでは無くなる一面もありました。しかし、パテで埋めながらペーパーで丹念に削りなんとか成型できたと思います。指の強度も弱く「ポロッ」と行きそうな事もありましたが、接着剤(タミヤセメント)を表面にコーティングするように塗布したら強度も戻りました。

右手(握った方):コチラは簡単な様ですが、コテ先を当てる内側が指で覆われてしまうので成型に苦労しました。しかも熱で縮んでしまい指がサイズダウンしたため、指の溝をパテで埋めてさらにパテで幅増しして指の形を彫りなおしました。

手を成型している作業中、学校で習った「美術」を思い出しました。



腕に付けた所です。(仮組み状態)
いかがでしょうか?

これでも、手はまだ未完成です。
エルガイムの手はつるつるの無地ではなく、手の甲等にカバーの様な模様があります。
この部分をどのように仕上げるか思案中です。
最初はパテ盛りして彫って形を作ろうかと考えたのですか、アニメをしっかり見ると厚みが無さそうです。
そのため薄い「何か」をその形に切り抜いて貼り付けようかと考えています。
その「何か」を何にするのか探している最中です。


その他の問題点として、

肘の関節部分が簡素なつくりのため上腕単体では腕の横方向の角度が調整できない事
パワーランチャーのサイズが変

等、課題は結構多く腕の完成だけで時間がかかりそうです。

アニメの登場ロボは架空の存在のため、サイズも全て作者の想像で作られています。
それを縮尺を変えてプラモデルという形で現実のものにすると、生産メーカーの都合で仕様がアニメとかなり違います。

プラモデルを一生懸命作る時は、出来上がった作品を自分の思い描いたポーズで飾りたいという願望が少なからずあると思います。
しかしながら、現実は関節が思うように動かなかったり武器すら満足に構えられなかったりします。
アニメではロボの鎧をまとった人間のようにカッコ良くポーズを決めますが、現実にはそうは行かないようですね。
子供の頃、作りながらその現実を感じてしまいプラモデル熱が冷めたのではないかと思い出しています。

現在では、手作りが趣味(DIYですね)の人も多くホームセンターの数や陳列している工具の種類もかなり増えました。
工具類もプラモデルの修正に使えそうなものは安価なものばかりです。
手先の器用さに自身がある方は、昔生産されたプラモデルも道具とテクニックで自分の理想形に作れるのではないでしょうか?

なつかしのロボットアニメを見て研究しつつ道具と熱意を駆使し修正や再現して組み立てる。
とても面倒な事の様に思えますが、結構ハマっています。

2011年3月6日日曜日

プラモを作る・第2回・昔のプラモデルって… 重戦機エルガイム

エアブラシのジョイント部を見つけて早く塗装したいと思いつつも、この度購入したエルガイムのプラモデルは1995年に再生産されたモデル、頭で思い描いているポーズを考えると修正部分も多く関節の可動範囲をどのように広げるか? 等、余計な手間にやりがいを感じますが、かなりのスローペースです。





好きな事はいくらでも時間を忘れる方なのですが、子供の頃のように「そればっかり」というわけにはいきません。
今週末の作業は足の前部分を組立てたのですが、成型が悪く貼りあわせた継ぎ目のズレが酷いためその修正作業と足のつま先部分と同じ色である「手」の部分を形成しました。



手です。
既に型で成型されています。
手の甲部分にはアニメを見ると盛り上がっている模様がついているためその部分をパテ盛りして再現しています(右:再現中)
あと写真ではわかりづらいのですが、指がくっついて成型されているのですがそれを1本づつ独立するように切り離したうえで(右は切り離しています)形も変えたいと考えています。


前回紹介した自動車のボデーの小傷消し用のパテですが、薄付けのみだけでなく重ね付けして盛り上げた後、成型も可能です。
量もプラモデルに使うには一生使えます。
値段も600円程度と手頃なため、かなりおすすめです。


足先部分です。
パテを薄付けしてひたすら接着した継ぎ目を消すため、800番のペーパーで仕上げました。
我ながら滑らかに仕上がっており、塗装が楽しみです。


先程の裏側部分です。
コチラはかなり苦労しました。
パテを盛り、カッターでエッジを揃え、リューターで慣らし、800番のペーパーで仕上げました。
自分ではまあまあの仕上がりと思っていましたが、あらためて写真でみると雑な所が目立ちます。
ここで妥協するか、完璧を求めるかは迷うところです。


塗装まではまだ先になりそうです。
アニメのとおりの配色を意識しつつ、現実味を感じるような塗装をしないといけないため、塗る前にもかかわらず頭の中では何回も塗りなおしている配色とそれをどのように表現するかを考えています。

こんなに時間をかけて製作するのは素人極まりないのですが、私の好きなロボのひとつ「エルガイム」まだまだ楽しみながら仕上げます。